ちんぽとちんこの桶狭間で

大学院生の日常。生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え。

ノーヘル嬢と雨とブラウスと

今年のノーベル物理学賞が今の分野から出たので少し解説を。(別に賞を取ることが偉いわけではないけれど)

 

今年のノーベル物理学賞重力波の発見に対して贈られました。

2015年の9月14日にブラックホール連星からの重力波観測以降、今ではたしか5つほど見つかってます。

ちなみにアインシュタイン一般相対性理論を発表したのは1915年なのでちょうど100年です。

 

 

そもそも重力波というのは何かというと、重力の波が伝わってくる現象のことです。

 

例えば、静かな池に石を落とすと、波ができて真ん中から外へ向かって伝わってゆきます。この時、池に浮いてる船というのは自分が動くことで波が来たと感じるわけです。

 

この「石を落とすこと」を「ブラックホールの合体」、「船」を「検出器」と考えていただくとよいです。

伝わる波が重力波、重力で時空が伸び縮みする効果です。

 

いやいや、ブラックホールなんて遊戯王仮面ライダー龍騎でしか聞いたことないぞと思われるかもしれません。

 

宇宙にはたくさんの星があります。中には太陽よりずっと重い星も存在します。

この重い中でも特に太陽の30倍以上の恒星というものが、その寿命を終えると、ブラックホールになると考えられています。

 

重い星と言いうのは早く寿命を迎えるので(太く短く、理想の人生)早くブラックホールになります。実はブラックホールというのは1つではなくたくさんあるのです。

 

このブラックホールがどうしが、紐で結ばれた2つのボールのごとくクルクル回っているのがブラックホール連星です。

 

 

さて、ブラックホールのように重いものがぐちゃぐちゃと動くとき、上の池の話で言うと水面がぐちゃぐちゃとかき乱されるわけです。そうすると波ができます。

 

その波を我々は捉えたわけです。

 

そして、その波の形を計算と照らし合わせてみると、太陽の30倍くらいの重さだとわかり、このような天体はブラックホールだとわかったわけです。

 

ポイントは

重力波が実際に見つかったこと。

ブラックホールの存在が確定的になったこと。

ブラックホールが連星を組んでいることが分かったこと。(これが結構難しい)

でしょうか。

 

ちなみに17年の8月17日には中性子星というブラックホールより軽い星からの重力波も観測されました。

中性子星というのは中性子でできた星です。

元素合成、強い相互作用γ線バーストといった天体現象等の様々な分野の研究対象ですので、これも非常にすごいことなのです。何より、重力波と光の両方で見えたということが非常に面白いのです。

 

たしか2019年からは日本のKAGRAという観測器も動き出します。また、宇宙に観測器を上げようという案もあります。

 

これから非常に面白く、宇宙の神秘のベールを剥ぎうる分野ですので、皆さん機会があれば調べてみてください。