双子の女の子の縮退と時間発展による非縮退状態への遷移について(30分)
こんばんは。
今日は明日使える便利な言葉として
「縮退」
という言葉を紹介いたします。
量子力学ではハミルトニアンのエネルギー固有ベクトルでヒルベルト空間の基底を構成することが多い。しかしながら、一つのエネルギー固有値に2つ以上の線型独立な状態ベクトルが存在することがあり、これを縮退という。
分かりやすく言うと、量子力学では「状態」というものを相手にすることになる。
この「状態」には名札を付けることができる。
この名札としてエネルギーを採用するのである。
即ち、たくさんの「状態」をエネルギーでラベリングするのである。
あなたは「エネルギー1」、次のあなたは「エネルギー2」、お次は「エネルギー3」といった風にだ。
しかしながらたまにめんどくさい奴がいて「エネルギー3」という名前を持った人が2人いることがある。すなわち、「エネルギー3のAさん」と「エネルギー3のBさん」がいる場合がある。このとき「エネルギー3は縮退している」というのである。
これは日常でも非常によく使える概念だ。
高校のクラスを思い出してほしい。
だいたいどこのクラスにも同じ苗字のやつらがいるものである。
しかもそういうやつらに限ってあんまり似てないのである。
佐藤が2人いるとすると、この「佐藤」は縮退していると表現される。
しかし、大体の場合には下の名前は異なっている。
「佐藤太郎」と「佐藤次郎」。
この様に下の名前を考えると個人を識別できる。
このことを「縮退が解けた」という。
量子力学では同じエネルギー状態にいる奴らでも、磁場をかけると縮退が解けたりする。
ここで一つの思考実験によりさらに縮退への理解を促すこととする。
双子の女の子を用意しよう。観測装置としては我々の目を用意する。
生まれたときにはこの女の子たちはどっちがどっちかわからない。すなわち、「女の子」は縮退しているのである。
この「女の子」に時間発展演算子を作用させて中学校1年生にまで成長させてみる。
すると、片一方の女の子はAAAカップの「貧乳」状態、もう片一方の女の子はDカップの「巨乳」状態に遷移する。
これを図示すると次のようである。
「女の子(AAAになれる)」→(時間発展)→「貧乳」
「女の子(Dになれる)」→(時間発展)→「巨乳」
おわかりいただけただろうか。
時間発展演算子により、我々の目では区別できなかった「女の子」の縮退が解け、我々の目でも区別できる「貧乳」と「巨乳」に遷移したことが分かる。
この様に「縮退」と「縮退が解ける」というのは日常的に非常に汎用性の高い言葉である。みんなもどんどん使ってほしい。
特に物理学科学生との合コンではこの「縮退」という概念を知ってるか否かで、その後の経緯が大きく変わるような分岐点のひとつとなる。
もちろん、知らない方がいい、また知ってても知らないふりをするのが正解であることは言うまでもない。